
住居として利用中の一戸建やマンション、農業として田んぼや畑、資産運用として駐車場やアパート・ホテルなど、一人ひとりによって所有する不動産は、場所も種類も用途はさまざまです。
売却されるきっかけの多くは、転職や転勤・進学や転校・同居や離婚などで生活スタイルや家族構成の変化。
相続による資産整理による売却が以前と変わらず多くなっています。
ここ最近では、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減ったことや、不動産価格の相場が下落する前に売りたい。など、売却の理由もさまざまです。
そんな多様な動機や状況をかかえる不動産の売却ですが、売却方法は2つしかありません。
その2つの売却方法を把握し、計画や検討の材料として役立てていただければと思います。
売却方法その1:不動産会社に買ってもらう

「急な転勤で早く売却したい…」
「直ぐに現金化したい…」
「近所に知られずに売却したい…」
「わずらわしいこと無くスムーズに売却したい…」
少しでも早く不動産を売却したい場合や、計画的に住み替えたい!
そんな場合には、“不動産会社に買ってもらう”ことで解決できます。
流れは、車の乗り換えが良く似ています。
お持ちの土地や一戸建、マンションを不動産会社が買い取りますので、短期間での売却や住み替えの際に適しています。
既に住み替え先が決まっている場合も、これから住み替え先を探す場合でも、売却して手元にお金が入るタイミング(住宅ローンが残っている場合は、返済のタイミング)が調整できるので、計画的に住み替えることが可能です。
また、1つの宅地として売るには面積が大きな土地を売りたい場合にも、不動産会社に買ってもらう方法が最適です。
滋賀県の南部では、40坪~60坪程度の広さのある土地に家を建てるのが一般的ですので、80坪~120坪といった中途半端に大きな土地での売却は、単純に購入価格も高くなるので買い手がつきにくくなります。
例えば、1坪辺り35万円の価値のあるエリアに45坪の大きさの土地があったとすると…
●35万円×45坪=1575万円
同じエリアで90坪の土地を売り出したとすると、実際には土地の大きさが大きくなるほど1坪辺りの単価は下がりますが…
●35万円×90坪=3150万円
注文建築を建てる予算で一番多いのは、3000万円~3500万円程度になりますので、そこまで土地に多くの予算を当てられる方がおられません。
敷地の面積の大きな土地はどうしても取得金額や固定資産税などのランニングコストが高くなる点や、敷地やお家が大き過ぎると掃除なメンテナンスも大変…と、共働き世帯にも懸念されてしまい、なかなか買い手がつきにくくなり売却の計画が経てづらくなってしまいます。
「何年かかってもいいから…」とお考えの場合には、運良く購入希望者が見つかるかも知れませんが、可能性としては随分低くなってしまい、結局売れず、数年後に不動産会社が買い取ることになります。
「じゃあ、売れやすいように2つの土地に分筆(区画割り)して売却すれば良い!」と考えられる方もおられるでしょう。
しかし、その様に2つ以上の土地に分筆して売却するには、不動産会社と同じく“宅地建物取引業”の許可がなければ違法行為となってしまいますので、できません。
この様に、直ぐに売却し住み替えた場合や、新築住居が完成する数ヶ月後には必ず売却したい!といったケースや、土地の分筆や建物の解体工事などの加工作業が必要な不動産を売却するには不動産会社に買ってもらう方法がうってつけの方法です。
また、何度も知らない人にお家の中を内覧されたり、休みの度に内覧の立ち会い。内覧前の片付けなどのわずらわしいことなくスムーズに売却したい!といった方にもオススメです。
買い手は不動産会社。
直ぐに買取り金額を提示しますので、価格が折り合いつけば直ぐに売却の手続きに入れます。
何より、いつ売れるか?いくらで売れるか?といった精神的な不安を感じることなく、次の住まい探しや生活に気持ちを切り替えることができるのが何より大きなメリットと言えます。
売却方法その2:個人に買ってもらう

少しでも早く不動産を売却したい際や、売れにくい不動産を売却したい際におすすめの不動産会社に買ってもらう売却方法に対して、
「誰も住んでいない空き家を売りたい…」
不動産会社には、土地や一戸建、マンションなどの不動産を購入したい方が情報を求めてやってこられますので、売りたい方と買いたい方の橋渡しも行っています。
橋渡しには、「取り持つ・仲立ち・仲介・媒介」といった共通語がありますが、不動産業界では、売りたい方と買いたい方の橋渡しを“仲介”といい、縁談をまとめる業務も行っています。
「誰も使っていない土地を売りたい…」
「住宅ローンも払い終え、次の住まいの支払いの心配はない…」
売却するまでの期間に時間のゆとりが取れる場合や、住み替え先の家賃や新たな住宅ローンの支払いが重複することない(重複しても苦しくない)場合、土地の分筆や建物の解体工事などの加工作業がいらない不動産を売却する場合には、不動産会社ではなく“個人に買ってもらう”方法が適しています。
「個人に売却?!そんなタイミング良く、買いたい知り合いいないよ」と思われる方が大半だと思います。
自分自身で買い手を探すとなると、隣近所・親戚や知人・友人・同僚に限られてしまうので、どうしても紹介できる人数が限られてしまいます。
仲介で売却するメリットは、「高く!」売れる可能性があることです。
高度成長期(バブル経済)では、買った不動産が2倍・3倍で売れた!
東京オリンピックが決まり、都心部を中心に地価が上昇し、買った時より高く売れた!
滋賀県内の不動産も子育て環境に適していることや、不動産価格の手頃さ、京都・大阪へのアクセスが良いことも影響し、需要が高まったので、一部の地域・マンションで10年~20年前に買った不動産が高く売れた!というケースもあります。
不動産は株価や金利、経済状況によっても価格の相場が変動するので、売却するタイミングによっては「高く売れた!儲かった!」なんてこともありますが、ここで言う“高く売れる”はあくまでも、不動産会社に売るよりも個人に売る方が高く売却できる可能性が高いことです。
個人に買ってもらう仲介での売却に向いているのは、不動産会社がわざわざ買わなくても良いような、大きさや形がきれいな万人受けする土地や一戸建て・マンションです。
この様な不動産で、時間をかけて売却できる場合には、個人に買ってもらう仲介で売却する方がおすすめです。